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By スポンサードリンク | - | 2008年01月22日 | CM : 0 | TB : 0
「………決めたのか?」

「ユリウス…………ごめんね、私やっぱり帰らなきゃダメみたい」


何時かはこう成る事を知って居たから。

だから、傍に置きたくなかった。

だから、好きになど成りたくなかった。


だから、………余所者は、嫌いなんだ。



「こんな話の最中も、仕事?」

くすり、と苦笑いしたのが判る。

「前から言って居ただろう。私は忙しいんだ」

出会った頃の様に対応して居ても声が違うのは自分でも判っている。


アリスは今泣いて居るのだろうか、笑って居るのだろうか。

顔を挙げずに、考える。

「お前が決めたのなら、それ以上私が口を挟む必要がどこにある?」
(帰るのなら、いっそ挨拶無しにして欲しかった)

「言ったじゃないか、私は。帰れ、と」
(これ以上傍に居ると、行くなと喚きたくなる)

「お前はもう、選んだんだろう?」
(それで泣かれでもしたらそれこそ耐えられない)

「ただ、……言わせてもらうなら、」
(お前が選んだのなら、それで良いから)

「………泣くな」
(笑って居られる様、幸せになってくれ)

「え?」
アリスが素頓狂な声を挙げる。


「言っただろう。女は泣くから嫌いなんだ」
(お前が笑って居るなら、何処にいてもいいから)

「………幸せに、な」
(幸せに、なってくれ)


そこまで言って、流石に気になり顔を挙げるとそこにアリスの姿は無く。

目の前を舞う茶色の髪と耳元に落ちて来る優しい声から、
抱きすくめられているのだと気付いた。

「………何のつもりだ」

「ユリウス、聞こえる?私が動いている音」

言われる前から意識せざるを得ない、その音。

「………ああ」

例え何があろうと変化する事の無い無機質な音に染み込む、
何時もより少し速い「心音」。

「私の世界もね、至る所に時計があるの」

「それでも、その中から貴方の「心臓」と同じ音の物だけ見つけ出すから」

「見つけ出して、みせるから」


「私の「音」を、忘れないで。」

そう言って離れて行ったアリスは、泣きながら笑って居て。

「笑顔で居て欲しい」などと宣って置きながら、不意に。

(…………ペーター=ホワイトと同じじゃないか、こんな)


綺麗だと、思ってしまうなんて。

「………当たり前だ、そんな騒々しい音そう簡単に忘れられてたまるか」

そう悪態を付きふいっと顔を逸らすと、くすくすと笑い声が起こる。

溜まった涙は未だ引いておらず、目を細めた反動からまた一筋零れ落ちる。

「元気でね、ユリウス。」

優しい声と同時に、ぱたぱたと足音が響く。




嗚呼、
(行ってしまったんだな)

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ひぐらしの「you」聴きながら書いて、ユリアリを思って泣いたという電波伝説(あ「you」とフルバの最終回ED、某日朝魔女アニメEDは私的アリスソング。
By rhitsuka | 蒼と姫。 | 2007年11月16日 06:32 | CM : 0 | TB : 0